技術部工具課 工具管理係 主事
江尻 一博 KAZUHIRO EJIRI
2008年入社
金型というのは一品一様。その製品だけの金型を作っています。そこで重要になるのは、最初に仕様検討を行う社内DR(デザイン・レビュー)とお客様先のDRです。お客様から設計図が来た時に、まず金型が成立するかどうかの検討を社内で行います。その後にお客様先のDRで金型上のアドバイスを行い、成立させるための形状や作りやすくするための打ち合わせをします。DRは仕事の割合としては1、2割ですが、そこで仕様検討をしっかりしていないと金型の品質、製品の品質に関わってくるので、大変重要になる部分です。また、営業が受注する前に設計図を見て、金型データをある程度作り、実際にできるかどうかというところまで検討し、アドバイスすることもあります。
少し前になりますが、今までにない難しい形状の製品を手がけたことがあります。2色金型のキャビスライドという構造が大変複雑なもので、カーオーディオのボリュームのつまみ部品です。バックライトが映えるように黒と透明の2色の樹脂を使い、しかもつまみ部がねじれたカタチなので成形が非常に難しい。2色成形機を使って、どう成形して取り出すか。金型の開閉する動きを頭の中で想定して、金型の形状を3次元CADで設計するという、普通の金型構造よりもひと手間もふた手間も複雑な形状が求められました。冨士ベークでは前例のない仕事でしたが、金型の構造上に問題がなく量産できた時の達成感は、とてつもなく大きかったです。